山の刹那 – mauve 山に恋して –

人気の雷鳥バッヂ

mauveさんの作品づくりの源は、いつも山にあります。
年に1~2回長野県の山々を登り、そこでの偶然の出会いや発見が、彼女にとって一番の宝物。
そんな山の刹那を、心を込めてカタチにしています。

mauveさんにとって、長野県との出会いも、決して必然ではなかったそうです。
地元の千葉県で就職して2年間働いた後、「どこでも良いから、生活をゼロから始めたい」
という思いを胸に、学生時代の友人が住んでいる長野市へ移住しました。

当時住まわれていたのは、山の麓の、リンゴ畑の真ん中にある一軒家。
大家さんの家の裏にある、古びた離れ。
そこに一人で暮らしていたそうで、家からキノコが生えてくるくらい、寂しかったんだとか。
しかし、「ここでアクセサリーをつくる」という覚悟と情熱を失ったことは、一度もありませんでした。

時間があれば山に出かけ、大好きな自然をテーマに創作に没頭。
東京のアパレルの展示会に出品した時、「これ一本でやっていける」
という手応えを感じ、作家として独立されました。

その後は10年間長野市に住まわれ、ご結婚を機に松本市へ移住。
今年中には松本から離れ、池田町に工房を構えるそうです。

mauveさんは、自然や山から影響を受けたものを中心に創作されています。
そして、アクセサリーをデザインする上では「ストーリー性」をとても大切にしていらっしゃるそう。
例えば、過去の作品ではサファイアの石とともに愛らしい小鳥が一羽添えられた指輪がありますが、
その作品では水場(サファイア)を求めて、今まさに小鳥が降り立ったシーンを表現されています。

手元を見れば、いつでも然の中のストーリーに想いを馳せられる・・・。
今回の展示会でも、きっとそんな作品に出会えるはずです。


●ライター/塩澤亜美子
「デザインどころ」にて執筆中
 https://design1096.com/